私たちはなぜ、 100周年を 「やる」 のか?
1926年、大八車一台から始まった小さな梱包業が、
さまざまな時代を超えて、100年続きました。
この節目を、ただの祝いで終わらせないために、
私たちは今、会社そのものを見つめ直そうとしています。
この日、ナガシマグループの社員が集まります。グループの中核である長島梱包株式会社は、1926年に創業者・長島國治が東京・恵比寿で「長島商店」として産声を上げてから、ちょうど100年を迎えます。この節目に記念イベントを開催することは、ずいぶん前から決まっていました。
けれど、「100年経ったからお祝いしよう」――そんな単純な話では終わらせたくない。
私たちはそう考えるようになりました。
この記事では、なぜ私たちが100周年を「やる」のか。その出発点にある問いと、ここから動き出そうとしている変革について、少しお話しさせてください。
100年の重みを、
私たちは本当に
わかっているだろうか。
ナガシマグループは、関東大震災後の復興期に始まった小さな梱包業が出発点です。店員もいない個人商店から、一つひとつの仕事を積み重ね、取引先の信頼を少しずつ頂いてきました。
その後の100年を振り返ると――戦時下の工場焼失、終戦後の焦土からの再出発、朝鮮戦争特需を経た成長、高度経済成長の波、オイルショック、バブルとその崩壊、阪神・淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルス。日本経済が揺さぶられるたび、この会社もまた揺さぶられてきました。そのたびに、何とか立ち上がり、事業を続けてきた――それが100年という歳月の実際です。
この歴史は、教科書に載るような華々しいものではありません。けれどもそこには、どんな時代でも目の前の仕事にきちんと向き合ってきた、多くの先人の姿があります。取引先の皆さま、協力会社の皆さま、そして歴代の社員。その一人ひとりの積み重ねなしに、今のナガシマグループはありません。
私たちは、この100年の歩みがどれほどのことだったのか、
本当に理解できているだろうか。— 100周年プロジェクトの出発点となった問い
この問いに、きちんと向き合うこと。それが、100周年プロジェクトの最初の一歩でした。
仕事がうまくいくほど、
私たちは見えなくなる。
ナガシマグループのミッションは、「『包む』『輸送』を通して世界中によろこびを届ける」です。
私たちが梱包し、輸送した機械や設備によって、世界中で製品が製造され、人々の暮らしが支えられている。自分たちの仕事の先にそうしたものがあることを、社員は少しだけ誇りに思っています。一方で、その仕事は派手ではありません。完璧に梱包され、無事に届いたとき、梱包材は捨てられます。
仕事がうまくいくほど、
私たちの存在は
見えなくなる。
それが、梱包業という仕事の性質なのだと思います。
だからこそ、100周年という機会に、自分たちの足跡と、これから目指すものを、少しだけ言葉にして届けたい。これまで黙々と「包む」「届ける」を続けてきた会社が、今度は自分たち自身の歴史と想いを「包んで」「届ける」。100周年を対外的に発信する意味を、私たちはそこに置いています。
お世話になってきた取引先の皆さま、未来の仲間になるかもしれない方々、そしてこの会社を誇りに思ってほしい今の社員の家族。さまざまな方に、ナガシマグループという会社は、こういう会社ですと、丁寧にお伝えしていく機会として。
「記念」だけでは
終わらせたくない、
と考えました。
過去の周年行事を振り返ると、60周年のときは八芳園で、70周年ではウェスティンホテルで、80周年には中国への視察旅行で祝いました。それぞれの時代に、それぞれにふさわしい形で節目を迎えてきた歴史があります。今回もその延長線上で、式典と懇親会を整えれば、立派な100周年として成立したかもしれません。
ただ、今回はそれだけでは物足りないのではないかと、プロジェクトメンバーの中から声が上がりました。100年間積み上げてきてもらったものを、次の100年にどう渡していくのか。その問いに向き合わないまま、お祝いの場だけを整えていいのだろうか――と。
100周年を、
次の100年に向けた
組織変革の起点にしよう。
歴史を振り返ること。足元を固めること。未来を描くこと。この3つが噛み合わなければ、周年記念は社内だけで盛り上がる一過性のイベントで終わってしまう。そう考えて、今回は「祝う」プロジェクトではなく、「変えていく」プロジェクトとして動き始めました。
約290人の声から、
プロジェクトは
はじまりました。
最初にやったことは、全従業員を対象にしたアンケートでした。外部のコンサルが出した「あるべき論」から始めるのではなく、今この会社で働いている人たちが何を感じているのか――そこを出発点にしなければ、本当の変革にはならないと考えたからです。
世代も、事業所も、職種もバラバラの約290名の回答から、一つの構造が浮かび上がりました。この会社の根底に流れているもの。100年続いた理由として、社員自身が感じていること。その詳細な分析と、そこから生まれた100周年ロゴのコンセプトについては、別の記事で丁寧にお伝えします。
一人ひとりの地道な仕事の積み重ねが、
100年という歳月を形作ってきた。
だから、これからも。— アンケートから見えてきた、会社の根にあるもの
この発見は、私たちにとって大きな手応えでした。そしてここから、具体的な変革の取り組みが動き出しています。
16名の
100周年プロジェクト
メンバーによる活動。
100周年プロジェクトは、「歴史を振り返る」「足元を固める」「未来を描く」の3つを同時に進めるため、部署や役職を越えた16名による3つのチーム体制で動いています。それぞれが別々の領域を担当しながら、互いの成果を持ち寄って全体を形作っていく仕組みです。
戦略浸透チーム
ナガシマグループの歴史と経営戦略を、社内外にどう届けるか。10年ごとに区切ったカウントダウンコンテンツや、OB・創業家へのインタビューを通じて、言葉にされてこなかったものを記録に残そうとしています。
満足度向上チーム
社員が「この会社で働けてよかった」と思える環境を、どう具体的に作れるか。人事評価制度、作業環境、手当、作業服の刷新まで。本来やるべきだったことに、この機会に正面から取り組もうとしています。
未来創造チーム
次の100年に向けて、ナガシマグループの「顔」をどう作り直すか。100周年記念ロゴ、特設サイト、記念映像を通じて、これまで見えづらかったブランドの輪郭を、少しずつ整えていきます。
100年の節目を、
ただの折り返しにしない。
中期経営計画「Beyond 100」では、次の節目に向けた具体的な数値目標を定めています。売上50%向上、営業利益80%向上、労働生産性12%向上。決して小さくない数字です。届くかどうかは、これからの私たち次第です。
それでも掲げたのは、DX推進、環境配慮型包装材の開発、梱包業務プラットフォーム「PAX」の展開など、やるべきことが見えてきているからです。100年の節目を「ここまでよく頑張った」で終わらせてしまえば、そこから先は緩やかな下り坂になってしまう。それは、これまで託してくれた先人たちへの約束にも反します。
100周年プロジェクトは、記念イベントの準備委員会ではなく、次の100年を創るための実行プロジェクトとして、少しずつ、でも確実に前に進んでいきます。
歴史を知り、現在と向き合い、未来を描く。その3つが一体になったとき、はじめて「100周年をやる意味」が生まれる。私たちはそう信じて、ここから取り組んでいきます。
2026年12月5日、竹芝ポートホールで、
私たちは100年分の感謝を伝え、
次の100年への一歩を、ここから踏み出します。
どうか、これからのナガシマグループも、
長いお付き合いのうえで見守っていただけたら嬉しく思います。