東京駅前を走るラッピング車両

Project Story

730万世帯へ、 1冊ずつ届ける。

東京都「防災ブック」全世帯配布プロジェクト

  • 発注元:東京都
  • 2023.11 — 2024.03
  • 元請け

The Mission

関東大震災から100年。
すべての家庭に
「備え」を届ける。

2023年、関東大震災から100年の節目を迎え、東京都はリニューアルした防災ブック 「東京くらし防災」「東京防災」を都内全世帯に届ける事業を実施しました。 2冊が1箱に収められ、各世帯のポストに1箱ずつ届けられます。

対象は、離島を含む東京都全域の約730万世帯。 ナガシマ物流サービスは東京都から直接受注した元請けとして、 プロジェクト全体の設計・運営・品質管理を統括しました。

物流の手配から現場の配布体制、コールセンターの運営、 さらにはユニフォームや広報車両のデザインに至るまで—— 「届ける」ために必要なすべてを、私たちが担いました。

0 冊を受領 印刷会社から倉庫へ
0 世帯に配布完了 離島を含む東京都全域
0 ヶ月で完遂 期日内に全世帯配布を完了
0 台の車両を新規購入 トラック+バンを短期間で調達

770万冊は、どのくらいの量?

防災ブックはB6判(128×182mm)、2冊合わせて454ページ。 770万冊を積み上げると——

82 個分 富士山の高さ
積み上げると約308km=富士山82個分
約700 頭分 アフリカゾウの群れ
総重量 約4,200トン
1,401 km 横一列に並べた長さ
東京から鹿児島までの距離

The Challenge

住民データのない、
前例のないミッション。

東京都からの指示は「都内全世帯に届けてください」——それだけでした。
世帯名簿も住所リストも、いっさい提供されない中でのスタートです。

一軒ずつ、自分の目で確認する

配布員は台車に段ボールを載せ、文字通り一軒一軒歩いて表札やポストを確認し投函しました。 1箱40冊入りで約20kg。なくなれば補充し、それを1日に何度も繰り返します。 ポストに入らない場合は案内票を投函し、確実に届く方法を案内しました。

多様な住環境への対応

オートロックのマンション、表札のない住宅、 二世帯住宅やシェアハウスなど——東京には多種多様な住環境があります。 データがない以上、現場の判断力がすべて。 配布員一人ひとりの経験と注意力が品質を支えました。

離島を含む東京都全域

伊豆諸島や小笠原諸島を含む島しょ部にも、同じ品質で届ける。 都心のタワーマンションから島の一軒家まで、 エリアごとに異なる物流設計が求められるプロジェクトでした。

What We Built

「届ける」ための、
すべてを設計する。

ナガシマ物流サービスが担ったのは、配布作業だけではありません。
防災ブックを届けることがゴールではなく、防災意識の浸透こそが目的。
そのために必要なインフラ・デザイン・システムのすべてを、ゼロから構築しました。

01

配布プロセスのDX化

配布員の作業記録をクラウドでリアルタイム連携し、 管理者が配布状況を即座にモニタリングできるシステムを新規構築。 配布漏れの早期発見と問題点の迅速な解決を実現した、 本プロジェクトの根幹を支えるソリューションです。

02

EV配布車両の導入

早朝から夜間にかけて配布するため、静音性に優れたEV車両を採用。 通行の妨げにならない小型車を選定し、 東京の入り組んだ狭い路地にも対応できる機動力を確保しました。

03

移動型基地局車両

配布エリアごとにEVの基地局車両を配置し、現場を側面からサポート。 モバイルバッテリー・ソーラーパネル・衛星通信を実装し、 冷蔵庫や仮眠スペースも設置して配布員の健康管理にも配慮しました。

04

トラック・バン23台の短期調達

プロジェクトの規模に対応するため、トラックとバンを合計23台新規購入。 落札から実稼働までの限られた期間で調達を完了させるという、 時間との戦いでもありました。

05

24時間補充可能なコンテナ拠点

連携倉庫が土日祝や営業時間外に対応できないという課題に対し、 レンタルコンテナを敷地内に設置して24時間いつでも在庫補充が可能な体制を構築。 この工夫がなければ、プロジェクトの期日達成は困難でした。

06

ビジュアルデザインのトータルコーディネート

制服、車両、持ち物、案内票に至るまで、 すべてのビジュアルを統一的にデザイン。 都民の信頼と親近感を得られる見せ方を設計し、 配布員一人ひとりが東京都のアンバサダーとなる仕組みをつくりました。

07

配布員ユニフォームの制作

防サイくんをあしらったジャケットと帽子をデザイン・制作。 台車の持ち手の高さなど、配布中の見え方まで計算した設計で、 東京都の正式な事業であることが一目で伝わる存在感を実現しました。

08

約20社の組織マネジメント

東京都全域をカバーするため、約20社のポスティング会社と連携。 目的の共有を徹底し、各自がプロジェクトの意義を理解した上で 行動と言動で広報することを心がける体制を構築しました。

09

コールセンターの運営

都民の皆さまからのお問い合わせやご要望を、 すべて当社のコールセンターで集約・管理。 一つひとつの声に丁寧にお応えすることで、 プロジェクト全体の信頼性を支えました。

10

広報活動と車両ラッピング

「防災ブック配布中」のラッピングを施したEV車両で広報活動を展開。 東京都公式マスコット「防サイくん」も都の許可を得てデザインに取り入れ、 情報を伝達するためのノイズを徹底的に排除しました。

ラッピングを施した配布車両2台

配布車両+基地局車両

配布員用ユニフォーム(前面・背面)

配布員ユニフォーム(前面・背面)

24時間補充用のレンタルコンテナ

24時間コンテナ拠点

Our Strengths

このプロジェクトが証明したこと

Strength 01

データがなくても届ける
現場対応力

世帯リストも住所データも一切ない中で、配布員が自らの目と足で 一軒ずつ確認し、730万世帯への配布を完遂しました。 クラウド管理システムによるリアルタイムモニタリングと 人の目による現場確認——テクノロジーと人間力の両輪が、データを超える精度を実現します。

Strength 02

全体を統括する
プロジェクトマネジメント力

約20社の協力会社、EV車両・基地局車両の調達、コールセンター、 ユニフォームや車両のトータルデザイン——多岐にわたる業務を 元請けとして一元管理。 「届ける」ことではなく「防災意識を届ける」ことをゴールに、 プロジェクトの全領域をカバーしました。

Strength 03

倉庫からポストまで
物流設計力

大型トラックによる幹線輸送から、EV配布車両での投函まで。 24時間補充可能なコンテナ拠点、移動型基地局車両など独自の工夫を重ね、 東京都全域をカバーする物流ネットワークを5ヶ月間稼働させました。

正確な情報を、一軒一軒に届ける。
その当たり前の積み重ねが、
都民の安全を支えている。

関東大震災から100年。次の災害に備え、 すべての家庭に防災の知識を届けるという東京都の取り組みを、 私たちは物流のプロフェッショナルとして全力で支えました。

デジタル化が進む時代においても、 「届ける」という行為の最後は、人の手と足にかかっています。 ナガシマグループは、社会インフラを支える物流パートナーとして、 これからもその責任を果たし続けます。

Project Data

プロジェクト名
防災ブック「東京くらし防災」「東京防災」全世帯配布事業
発注元
東京都
受注形態
元請け(ナガシマ物流サービスが東京都から直接受注)
配布対象
東京都全世帯(23区・多摩地域・島しょ部)約730万世帯
配布期間
2023年11月〜2024年3月(期日内に全世帯配布完了)
配布物
「東京くらし防災」「東京防災」2冊入り1箱+リーフレット / 世帯
担当範囲
物流設計・配布管理システム構築・配布体制構築・約20社の統括管理・コールセンター運営・ユニフォーム制作・案内票デザイン・広報車両ラッピング
ナガシマグループ
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